分譲マンションの構造
分譲マンションの基本構造
分譲マンションの構造大きくは鉄筋コンクリート造(RC造)と鉄骨鉄筋コンクリート造に2分される。
鉄筋コンクリート造
1・ラーメン構造
主として6〜7階建ての分譲マンションに採用、柱と梁で建物を支える構造で、開口部を広く取ることができ、リフォームもし易い。
2・壁式構造
5階建てまでのマンションに採用、壁と床(面)で建物を支える構造。柱や梁のような出っ張りが室内に出ないため家具の配置がし易く、
スッキリしているが、耐力壁で持たせる構造の為リフォームはしにく。
鉄骨鉄筋コンクリート造
7階建て以上のマンションに採用、鉄骨をRC造の柱や梁の変わりに使うため、粘りが増し、高層マンションに採用されることが多い。
その他の構造、工法
1・壁式ラーメン構造
壁式構造とラーメン構造の長所を合わせた構造、開口部はラーメン構造、隣住戸と接する部分は壁式構造が使われている。
2・逆梁構造
一般には天井から梁が下にたれているが、梁を上方向に立てて作る工法。開口部の上部に梁がないためハイサッシを採用し易く、室内を明るくすることが出来る。
3・スケルトン・インフィル
外側(スケルトン)は100年以上の耐久性を備えた骨組み、逆梁工法で床下に配管スペースを取るなど水回りの移動をし易くする。
内側(インフィル)は外側と分離され間取りの変更や大規模な改修をし易くする構造。
構造の補強
1・スパイラル配筋
主筋の周りの帯筋をらせん状に巻くことで、地震のように力が加わった時にも鉄筋が外れにくい。
2・ダブル配筋
外壁コンクリート内の鉄筋を2列に配することでコンクリートが厚くなりひび割れ等がしにくなる。
耐震の補強
1・免震構造
建築物の下にゴム等の免震装置を配し、地震力を低減させる構造。地震のゆれが直接伝わらないで、ゆっくりと横に揺れます。免新装置としては@積層ゴム Aダンパー Bすべり支承(ししょう) C転がり支承 などの装置が使われます。大地震にも強いがゴムなどの維持管理に費用が発生する。
2・制震構造
製震装置で地震力を低減させる構造。中小規模の地震に効果がある。制震構造は3タイプに分類される。@エネルギー吸収機構 A質量効果機構 B自動制御機構
3・耐震性の診断
耐震診断を専門にしている一級建築士事務所に診断をして頂くのが基本ですが、そのためには以下のようなの診断があります。
@設計に関する図書(設計図、構造計算書、施工写真等)による診断
A柱や壁の亀裂やヒビ割れ、施工の状態などの現地診断
B建物のコンクリートくり貫くコンクリートの劣化診断
@〜Bの検査を全て専門家に依頼して実施するには(建物の大きさにもよりますが)一般的に数百万円の費用が必要になります。管理組合による自己診断で大きな亀裂等が多数見つかった場合は早めの対応が必要です。
管理組合でできること
@マンションの柱に亀裂が無いか、あった場合の亀裂の種類(縦方向、横方向、斜め方向、縦横両方向)を確認する。大きな亀裂が多数見つかった場合は設計や施工に問題があり、建物の強度が不足している可能性があります。
A廊下の天井や階段周りなど露出した部分のコンクリートの亀裂、剥落、漏水が無いか、この症状が多数見つかった場合は基礎の耐力不足、構造的な強度不足、コンクリートの成分に問題がある場合や塗装などメンテナンスが行き届いていないことが考えられます。
軽微な亀裂はコンクリートの収縮等で起こることがありますので、軽微な亀裂か多少見つかっただけでは耐震性への影響は考えられませんが、大きな亀裂が多数見つかった場合は、早めに専門家に相談することをお勧めします。いずれにしましても、冷静な対応が必要です。
4・分譲マンションの耐震補強工事
工事の前に専門家による設計図書や現場確認による診断が必要です。耐震補強工事が必要と診断が出た場合は、耐震補強としては補強が必要な箇所に「鉄骨ブレース」を入れて補強するのが一般的ですが、重量がかさむため基礎にも十分な強度が必要です、基礎の補強が必要な場合もあります。
大きな鉄骨ブレースを筋違のようにクロスさせてバルコニー等の開口部などに入れて補強するのが一般的な方法ですが、開口部が無くなる弊害がでて、部屋として使うことのが出来なくなる場合があります。
全戸が入居している分譲マンションをこの方法で補強する事は現実的と言えません、ある程度の数の部屋に鉄骨ブレースを入れることで犠牲にしないとできないからです。
この方法で補強すると 耐震性が高くなるメリットはあっても、建物の外観が著しく悪くなり、マンションとしては商品価値が著しく落ちる場合もあります。商品価値を落とさず耐震補強をすることは至難の業です。
学校の校舎などの公共的な建物は商品性は関係なく、安全性や実用性を優先できるので耐震補強工事もしやすいですが、、分譲マンションの場合は、上記のように様々な問題があり、耐震性の強度が不足すると言っても、耐震性を高めることは簡単ではありません、専門家を交え管理組合でよく相談をしてから実施することが必要です。
5・将来に備える
耐震性も大きな問題ですが、最近の分譲マンションの中には購入後のランニングコストを少なく見せるために、毎月の修繕積立金を極端に少なくして販売して販売しているケースが多く見られます。このようなマンションを購入した場合や購入を予定している場合は修繕積立金が適正か見直す必要があります。
修繕積立金が不足すると今回のような問題が起こった場合、十分な調査をする事も耐震補強をする事も出来ません。先にも書いていますように、マンションの大きさや補強の程度にもよりますが、耐震性の調査だけでも数百万円、耐震補強工事には数億円の費用が掛かってきます。
将来震度5〜6程度の地震が発生した場合は適正な工事をしているマンションでも補修工事が必要になる場合があります。このような時にも積立金に余裕が有れば安心です。
マンションの寿命も同じです、早めの十分なメンテナンスは建物を長持ちさせます、メンテナンスが適正な時期に実施されないと建物の寿命を短くするだけでなく、マンションの商品価値も落としてしまいます。
中古マンションは取引事例が価格を決めると言っても過言ではないように、一旦落とした価格は簡単に元に戻すことは出来ません、他人任せにせず大切な財産を自分でしっかり守るように心がけましょう。
専有部分の構造
防音・遮音
(屋外)
1・防音サッシ
等級はT1〜T4まで4段階あり、数字が大きいほど遮音性能は上がるがコストも高くなる。普通サッシはT1、エアタイトサッシでT2、防音サッシでT3が一般的。
2・ペアガラス、複層ガラス
遮音性能だけでなく断熱性能も向上する。1枚ガラスより1枚1枚のガラスは薄くなっているので、割れ易く、超高層マンションではあまり使われない。
(壁)
1・直壁
コンクリートにブラスターボードやクロスを直接張った構造、遮音性を高めるには15cm以上の厚みが必要。
2・二重壁
ブラスターボードの2重張りで壁を作る構造、中が空洞のため直壁より遮音性能は劣る。
(水周り)
パイプスペースの遮音
パイプを遮音ゴムでくるむ方法やパイプスペースを2重張りする方法、その両方を併用する方法がある。
(天井)
1・スラブ厚
18cm以上が標準、これより薄いと振動や衝撃が伝わり易い。
2・梁間面積
小さいほど振動は伝わりにくい。
3・二重床、二重天井
空洞のものとコンクリートと仕上げ材の間にグラスウールを挟むものがあるが、後者の方が遮音性能は高くなる。また、リフォームもし易い構造。
給排水管
1・二重床
段差がなく管の移動や交換がし易い。
2・さや管ヘッダー工法
給配水管などをひとまとめに太いさや管に通して配管する工法。